03, リース作家・ヘアメイクアーティスト / CIRCOの

ハコはすっきりシンプルに。
暮らしに合わせて自分たちで作りあげていくミコロール。

ヘア×植物、空間の印象をがらりと変えてくれるリース、イラストレーション…。
結婚、出産後も変わらず世界観のあるアートワークを次々と生み出しているCIRCOさん。
作品の展示やインスタレーションだけでなく、ショップのディスプレイやパッケージのイラストなどを手がけるなど、その才能に多くの人が魅了されています。
現在、自宅では予約でヘアカットもしており、県内はもちろん、県外からもCIRCOさんに会いに髪を切りに来るお客さんもいるのだとか。
今回の家づくりの体験場所は、彼女の自宅。天井に木の枝や植物がディスプレイされていたり、リースや作品が並べてあったり…。
独創的という言葉がぴったりで、不思議と惹きつけられるCIRCOさんの世界に浸りながら、シュミレーションをしてもらいました。
今、まさに家を探しているというCIRCOさんですが、彼女が今回イメージしたのは、将来暮らす家。
「夫婦2人で暮らすイメージで作ってみる」ということで、家づくりが始まりました。

「これやっぱり悩むね」とCIRCOさん。ブロックのマス目だけが描かれた真っ白な台紙を目の前に、思わず本音が出る場面もありましたが、迷ったらコーディネーターがアドバイスを加えながら進めることにしました。
「ひとまず、ハコだけ作れたら十分」という意見もあり、今回の家は、間取りの自由度が高いシンプルな正方形を基本とすることに。インテリアや家具のディスプレイやコーディネイトなど、空間作りは彼女の得意分野。その魅力が最大限生かされる家を目標としました。
1階は大空間のLDKがメイン。「作業場としても使える、大きなダイニングテーブルを置きたいです。ソファはなくていいかも」とCIRCOさん。生活の軸になるよう、テーブルを家の中心に配置。使いやすい広めのアイランドキッチンを置くことで、家事動線も確保しました。ダイニング横の壁一面には大きな窓を設け、自然光がたっぷり降り注ぐ、陽だまりのような空間に。南向きに配置された備え付けの収納の上部にも窓を作り、採光しています。現在、CIRCOさんが暮らしている家の日当たりがあまりよくないこともあり、部屋の明るさも彼女の中で重要なキーワードになったそうです。

ダイニング横の窓先には、広めの庭を。「周囲の視線が気にならないよう、敷地の境界に高めの壁を設けてはどうか」というアイディアを取り入れることで、カーテンの有無を気にしない開放的なLDKと自由な庭ができあがりました。「物は収納してすっきりさせたい」というリクエストもふまえて、シューズインクローゼットや備えつけの棚を作ったり、デッドスペースを収納にしたり、空間をうまく活用。コーディネーターから、「ヘアカットできる専用スペースを作ってはどうか」という提案もありましたが、将来はお店をオープンさせ、住み分けをしたいようなので、あくまで「住居」として続きを作ることになりました。

2階はワンフロアの寝室とトイレのみ。ベッドの間に収納付きの壁で一部仕切ることで、開放感を失わずにプライベートな空間を作りました。広いバルコニーは、洗濯物や布団を干すのにぴったり。庭で干したり、バルコニーで干したり、贅沢に使い分けできるのも魅力です。
「部屋の壁はクロスじゃなくて、塗り壁がいいです。もうひとつ理想を言えば、床もただの木じゃなくて、美術館にあるような伝統的な木組み床とかにしたいですね。高いだろうから、今回は無理だけど（笑）」とCIRCOさん。シンプルな間取りと、時間とともに表情が深まっていく本物素材のかけ算は、「愛着を持って長く暮らす」ための最適の条件。そして実際暮らすようになって、ますます「ミコロール=自分らしさ」が深まるのが、この家の特徴。彼女ならではの卓越したセンスと感覚で、5年後、10年後と居心地のいい空間が広がっていくはずです。

考えるのは楽しいけれど、迷うなあと思いました。注文住宅だともっと迷うと思いますが（笑）、今回、コーディネーターの方が具体的な提案を交えながらリードしてくれたのでよかったです。中古住宅のリノベーションに興味がありましたが、ミコロールをやってみて、新築もありかもと思えてきました。あとは、暮らす地域の雰囲気や利便性などの条件に合う場所次第ですね。