内観パースをAIで変換する:設計と提案の手間を減らす

「白い壁と床だけのパースでは、お客様が完成後の暮らしをイメージしにくい」「テイスト違いのパースを何枚も作る時間はない」。設計や営業の現場で、よく聞く悩みです。

第4回は、手元にある内観パースや現場写真をAIで「別のテイスト」に変換し、打ち合わせや提案に使う方法を紹介します。加盟店様向けの勉強会でも実際にデモを行った使い方です。

内観パースの変換とは

北欧風のリビング

画像を読み込ませて編集できる生成AIに、内観パースや写真を渡し、「北欧風にして」「床を無垢のオーク材に」のように文章で指示すると、同じ間取りのまま雰囲気を変えた画像を作ってくれます。

ChatGPTやGeminiなど、画像の入力と生成ができるサービスであれば、特別なソフトを用意しなくても試せます。CGパースを一から作り直すのに比べて、テイストの確認にかかる手間を大きく減らせます。

使いどころ

1. 打ち合わせでの「好み」の確認

同じリビングを「ナチュラル」「モダン」「和モダン」の3パターンで見せると、お客様は言葉で説明するよりずっと早く好みを選べます。仕様決めの打ち合わせが、具体的な話から始められます。

2. 提案書・プレゼンの見栄え

白い面だけのパースに、家具や照明、植物を入れたイメージを添えると、提案書の印象が変わります。「この家で、どんな暮らしができるか」が伝わりやすくなります。

3. 素材・色の比較

床材や壁紙、キッチンの扉の色などを変えたパターンを並べて、組み合わせを比べます。サンプルだけでは決めきれないお客様の後押しになります。

やり方(3ステップ)

設計の打ち合わせ
  1. 元になる画像を用意する:内観パースの書き出し画像や、完成した建物の室内写真を使います。正面から部屋全体が写っているものほど、変換がうまくいきます。
  2. 「変えないもの」と「変えるもの」を分けて指示する:窓や柱の位置、部屋の形は変えないように伝え、変えたいのは内装と家具だけ、とはっきり書きます。
  3. 気になるところを1つずつ直す:一度で完璧を狙わず、「照明をもう少し暖かい色に」「ソファを小さく」と会話しながら仕上げます。

そのまま使える指示文の例です。

添付の画像は、注文住宅のリビングの内観パースです。
窓・柱・天井の高さ・部屋の形は変えずに、内装と家具だけを「北欧ナチュラル」のテイストに変えてください。
・床:明るいオーク材のフローリング
・壁:白、一面だけ淡いグレー
・家具:低めのファブリックソファ、木のダイニングテーブル
・照明:暖かい色のペンダントライト
・観葉植物を2〜3鉢
同じ画像で、テイストだけを「モダン」「和モダン」に変えたものも1枚ずつ作ってください。
3枚を並べてお客様に見せるので、構図と明るさはそろえてください。

使うときの注意

  • 「イメージ」であることを必ず伝える:AIの画像は、窓の大きさや天井の高さ、設備の形が微妙に変わることがあります。寸法や仕様は図面とは違うことを、お客様にはっきり伝えます。資料に載せるときは「イメージ画像」と書き添えます。
  • 実在しない商品を約束しない:AIが描いた家具や建材は、実際に手に入るものとは限りません。採用する建材は、カタログの実物で確かめます。
  • 使う画像の権利を確かめる:自社で作ったパースや自社施工の写真を使います。他社の写真や、雑誌・SNSの画像を元にするのは避けます。お客様のお住まいの写真を使うときは、事前に了承をいただきます。
  • 入力する情報に気をつける:画像にお客様の名前や住所が写り込んでいないかを確かめてから読み込ませます。

まとめ

項目ポイント
使いどころ好みの確認 / 提案書の見栄え / 素材・色の比較
やり方画像を用意 → 変えないもの・変えるものを分けて指示 → 1つずつ直す
注意「イメージ」と伝える / 実在しない商品を約束しない / 画像の権利と写り込みを確かめる

内観パースの変換は、設計担当がいない打ち合わせでも営業担当がその場で使える、効果の見えやすいAI活用です。まずは自社の施工事例の写真1枚から試してみてください。

次回(11/5)は、社内のマニュアルや資料にAIで答えさせる「社内Q&A」の作り方を紹介します。

勉強会の様子を動画で公開しています

内観パースの変換は、加盟店様向け勉強会「AIを使う側に回る一日」でも実際にデモを行いました。その様子を「JIHの取り組み」ページで公開しています。

→ JIHの取り組みを見る

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